top of page

​龍神と

雨乞い祈願のお寺

Ryujin's Hall

龍神堂。ご予約いただけましたら拝観可能です。毎年8月23日は予約なしで拝観いただけます

Ryujin statue

本堂西南にある「龍神堂」は、昭和3年(1928)昭和天皇御大典を記念して建立されました。堂内には古来、地域の人々から龍神様として信仰されている「龍神像」を奉安しています。

 

木造の跪座(きざ)像(ひざまずいた姿)で、突出した大きくて丸い目、たくましい筋肉表現など、その個性的なお姿から、仏像に関心の高い皆様がお参りに来られます。

作者・制作年代は不明ですが、かつて境内北東にあった「坂井の清水」より現れたという伝説があります。

また、俊恵法師(下記参照)が住職を務めていた平安時代末期、干ばつに見舞われた際には、​龍神に坂井の清水をかけながら雨乞いの修法が行われ、その効験により恵雨がもたらされたと伝わります。昭和初期頃まで、干ばつの都度、雨乞いの修法が修されていたようです。

このことから当寺は「雨乞い祈願のお寺」として親しまれるようになりました。

龍神像は「木造夜叉形跪坐像」として「京都市指定・登録文化財-美術工芸」に登録されています。「京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課」によると、「ヒノキ材の一木造の夜叉形像。(中略)本像は本来は兜跋(とばつ)毘沙門天像の左右に配される毘藍婆(びらんば)あるいは尼藍婆(にらんば)像であった可能性が高い。平安時代前期にまで遡り得る夜叉形の古例として貴重な作例といえる。」と評されています。

◆京都市情報館「京都市指定・登録文化財-美術工芸(南区)」(京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課)
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000189562.html

(2024年4月20日閲覧)

摩耶夫人と

安産祈願のお寺

Lady Maya statue

「龍神堂」には、お釈迦様の生母、「摩耶夫人像」をお祀りしています。摩耶夫人は藍毘尼園(らんびにおん/ルンビニ(藍毘尼))にあった無憂樹(むゆうじゅ)の枝に手を伸ばした際、右脇からお釈迦様を出産されたといわれています。福田寺に祀る摩耶夫人像は、お釈迦様の誕生の様子がよくわかる御尊像です。

摩耶夫人像には、次のような由緒が伝わります。中国、梁(りょう)の武帝は、難産で亡くなる国民が多いことを嘆き、摩耶夫人像を2体、自ら刻みます。そのうち1体は宮中に安置して自ら拝し、国民の安泰を祈願し、もう1体は国民に授けて崇拝させたところ、難産の憂いがなくなり、さらに子どもたちも聡明に成長したといわれています。

​弘法大師が入唐した際、このことを知り、日本で出産に苦しんでいる女性を助けたいと摩耶夫人像を譲り受け、大同元年(806)、平城天皇の御代に帰朝し、摂津摩耶山の忉利天上寺に安置。のち長和年間(1012-1017)に兵乱が起こり、兵災より摩耶夫人像を守るため、福田寺に移されたという言い伝えがあります。

摩耶夫人像を安置していることから、当寺は「安産祈願のお寺」として知られています。

bottom of page